沿革

馬車製造職人からグローバルプレーヤーへ。
 
シートメーカー「RECARO」は、2006年4月に創業100周年を記念するイベントをシュ トゥットガルトで開催しました。
 
今日あるRECAROの繁栄の歴史は1906年にシュトゥットガルトで始まります。当時32歳の馬車製造職人 ヴィルヘルム・ロイターによって、「馬車製造社ロイター」が設立されました。 その頃は、“英国風の馬具”をモチーフにして高級車と自動車を中心に製造していました。 ロイターは、シュトゥットガルトを中心とした自動車業界で瞬く間に名声を博すことになります。その中でもボッシュ、マイバッハ、ダイムラーは歴史を塗り変 えたビッグ・ネームであり、今日のシュトゥットガルトが変化に富んだ地域になる基盤を築いたメーカーです。
 
ロイターが始めた事業は見事に花開き、1910年には「Stuttgarter Karosseriewerk Reutter & Co(ロイター・シュトゥットガルト車体製造会社)に商号変更しました。 この年若い馬車製造職人は斬新なアイデアの持ち主で、進取の気性に富んでいました。 このようにして生まれた工場で、1912年にはすでにロイター改良ボディ(のちに「コンバーチブル」と呼ばれる)の特許を取得していました。
 
ロイターは、ダイムラー・ベンツやホルヒ、そして長い間人々の記憶から遠ざかっていた企業のために車体を製造し ました。しかし、ロイターが決定的な貢献を果たした、これ以外の自動車製造の老舗企業もその名が忘れ去られていたわけではありません。
 
フェルディナンド・ポルシェは、ロイターにフォルクスワーゲン・ビートルの試作品を作らせました。そして大戦後 もポルシェとロイターの緊密な共同作業が続きます。 ポルシェ 356で、車体メーカーとしてロイターの名が世界的に知られるようになります。 ロイターはBMWやドイチェ・ポストのための開発にも携わりました。 ドイチェ・
 
1963年には今日の原型となる会社が設立され、「REutter」と「CAROsserien」の頭文字を 取って「RECARO」と名づけられました。 RECAROの名で最初に製造されたスポーツシートが1968年に発表されると、RECAROのブランド名はモータースポーツの世界でたちまちその名を知 られるようになります。 そして発展を遂げていくことになります。
 
1969年にRECAROはKeiper社に吸収合併されました。世界16拠点で国際的に事業を展開している Keiper Recaroグループの独立した一企業として、キルヒハイムを拠点に今日もシート製造に携わっています。
 
創業者であるヴィルヘルム・ロイターの前向きな姿勢、先進性、豊かな創造力は、カーシートの製造に今も引き継が れています。 1965年に、RECAROはサイドガイドを搭載した世界初のシートを発表します。そして、1968年には調節式ショルダーサポートを装備した史上初の シートをマーケットに出荷しました。
 
RECAROは自動車のシートの定義をまったく新しいものにしました。 それまで、自動車のシートには住居用の椅子が使われることが多く、サイドホールド機能も付いていませんでした。RECAROによってシートの新時代が始 まったのです。 RECAROのデザイナーは人間医学・人間工学・生体力学の分野の研究者と検討を重ねました。そして衝突試験を行い、人体が耐えられる負荷の限界を突きと めました。
 
このようにして、大学や専門医療関係者との緊密な連携を徹底的に図った結果、知識と経験がRECAROに集約さ れました。これは世界でも類のないことです。 RECAROは、「人間はどのように座るべきか?」「どうすれば正しく身体が支えられるか?」という問いに早くから答えを出していました:
 
1971年 RECAROがベルト一体型シートを発表
 
1973年 RECAROがシート構造にブリキ製のフルシェルを採用
 
1977年 人間工学の観点から画期的なイノベーションである空圧式ランバーサポートを発表
 
1984年 両サイドに補強金具を搭載したカーシートを世界で初めて開発
 
1991年 RECARO、左右非対称の調節機能を搭載したカーシートを 世界で初めて開発
 
1996年 ヘルメット一体型の初のレーシングシェルを発表
 
2004年 ポルシェ・カレラ GTのカーボンシェルシート(当時のマーケットで最も軽量な量産シート)を発表
 
馬車製造職人からグローバルプレーヤーへ。 RECAROは、1973年にシュトゥットガルトのアウグステンシュトラーセにあった手狭な場所からキルヒハイムに拠点を移しました。当時から自動車業界 のパートナーとして確固たる地位を築いており、困難な要件にも対応。画期的な先進テクノロジーを駆使して新しいモバイルシートを次々に考案しました。 現在のRECAROは、ポルシェ、アストン・マーティン、フェラーリ、ランボルギーニ、アウディ、オペル、フォード、フォルクスワーゲンのトップモデルに 独占的に製品を供給しています。 RECAROが開発したハイブリッド軽量化構造シートは、VW ゴルフ R 32とアウディ RS 4のシリーズ生産に引き継がれています。
 
2006年3月初めに開催されたジュネーブ・モーターショーで、RECAROは、スイスの企業リンスピード社と 共同開発した試作品の中から、体にしっかり密着するゲル構造のカーシートを披露しました。これは、いつの日か製品として発表されるチャンスが訪れるでしょ う。 そう遠くない将来に、RECAROは身体に自然にフィットする シートを開発するものと思われます。つまり、人間の身長や体型に関わらず、常に正しいポジションで走行できるシートです。 これはもはや夢物語ではありません。長年にわたる研究と数々のアイデアを元に